北谷竹細工

ちゃたんたけざいく

祖父の代から受け継ぐ3代目の竹細工職人。

沖縄県で唯一の竹細工工房で、今では沖縄県でただひとりの職人となりました。

手作りの技術を継承し、時代に合わせた竹細工を生み出しています。


津嘉山寛喜 Kanki Tukayama

1949年    北谷町生まれ

1989年    家業を継ぎ「北谷竹細工」を設立

1993年    植樹祭で天皇陛下がご使用する「お手植え苗木入れかご」を制作

1994年    伊是名村で尚家の神職者を乗せる竹製カゴ「ミアンダ」を制作

1996年    全国技展会員に加入

2003年    沖縄県工芸士認定

2018年    県立博物館に展示する国王王冠(ハチマチ)復元に参加


竹細工職人を継ぐ

祖父、父と受け継いだ家業の竹細工を40歳から本格的にはじめた。

 

戦前は盛んだった竹細工も昭和40年くらいからプラスチック製品などに置き換わり、沖縄では竹細工を継ぐ人がいなくて下火になっていき、現在は津嘉山さん一人となった。

 

体験教室の講師の依頼が入ったことがきっかけで竹ヒゴを荒削りする機械を取り入れた。

100年前から変わっていない手作業の一部を機械化することで生産能力がアップし、綺麗に編むことに専念できるようになりました。


材料から作る

竹細工の材料には沖縄県で取れる蓬莱竹(ほうらいちく)を使用しています。

節の間隔が長くしなやかで曲がりやすい、節の山が平らでほとんど無くひっかりも少ない。

 

昔は電話一本でやんばるのおじさんたちに竹を注文することができたが、現在は自分でやんばるの山(沖縄県北部)に採りに行っています。

 

戦後70年ずっと竹の植え替えがされおらず、竹は株で広がっていき野生化している。

「最近はあまり良い竹がないから」と竹を自ら植える栽培も始めています。


沖縄の暮らしならではの形

昔は生活必需品としてどの家庭でも使われていた竹細工製品。

農作物や小物を入れていた竹でできたザルやカゴのことを、沖縄ではバーキといいます。

本来のバーキ(左写真)は直径50cmもある。仕入れた商品をかごに入れ、市場などで売っていた。

バーキは底を四角いあじろ編みにしてから立ち上げて編んでいく尖った四つ足が特徴で、道端に置いた時に安定するけれど、頭に乗せても邪魔にならない考えられた形だ。

 

農作業で使う「ミージョーキ」、漁師が使う「ティール」、芭蕉布の糸をいれる「ウーバーラー」など用途に応じた様々な形が作れた。現在は伝統的な形をアレンジし、雑貨入れや花器、照明器具など時代に合わせた道具も作成しています。


次世代の職人を育成

竹細工はヒゴ作りが7割、編む作業が3割とヒゴ作りに多くの時間がかかる。ヒゴ作りを習得するには早い人で3年かかるとも言われています。

材料となるヒゴが作れるようになって初めて竹の厚さや幅の関係が理解でき、綺麗に編むことができるようになります。

 

津嘉山さんは次世代の職人を目指している方を受け入れ、研修生として指導も行っている。作るだけで無く、販売する際の会話やディスプレイなど売る難しさも教えている。「売る喜びも分かるようになると勉強になる」と話す。

 

再生可能な自然に優しい素材がこれからは益々注目されていきます。職人を増やし、更に沖縄の竹細工を広めていくことが今後の目標だと語る。


オリジナル商品「エイサー人形」

エイサーは本土の盆踊りにあたる沖縄の伝統芸能のひとつ。旧盆の夜に地域内を踊りながら練り歩き祖先を送り出す念仏踊りのこと。

エイサーの様子を竹細工で作成した傑作「エイサー人形」。知花花織を衣装に見立てた知花花織とのコラボ作品。太鼓や三線を持ったり、足を上げたり様々なポーズをとった竹の人形が楽しませてくれる見応え十分な作品。

 

こちらはふんどぅに展示されていてレンタルも行っています。

また、個々の人形を購入することもできます。

 

カブトムシ、トンボ、アリ、バッタなど生き物の製作も行っていて、どんどんアイデアが湧いてくるそうです。今後は竹細工を伝えるミニ博物館を作ろうと計画中。

 


作品紹介

経験豊富な技術と懇切丁寧な仕事で生み出した美しい作品

バーキ

食材などを頭の上に乗せて運んでいた

バーキ

背中に担いで農作業に使うカゴ

陸地が多い南部地方では頭に乗せて運搬具として使う平たいバーキ

山道が多い北部地方では背中に担いで農作業に使う深さのあるバーキが使われた


ティール

海人(うみんちゅ)が魚を入れるカゴ 現在は花かごなどとして使われています

サギジョーキ

冷蔵庫がなかった時代、家の梁などに下げて食べ物を保存していました

布バーラ (ウーバーラ)

芭蕉布の糸を紡いでいれる器
ランプシェード、生花用にアレンジできます

ミージョーキ

玄米ともみ殻を分けたり、作物を入れて干したりする道具


作家とのコラボ商品も多数

【知花花織×北谷竹細工】

竹カゴのショルダーバッグ

【スタジオ・モフワ×北谷竹細工】

琉球藍 手さげカゴバック内袋付き

【唐仙窯×北谷竹細工】

酒器セット

【知花花織×北谷竹細工】

エイサー人形


「北谷竹細工」取扱店

コザ工芸館ふんどぅ  沖縄県沖縄市中央 1-11-2 TEL.098-934-2213 11:00~19:00 (月曜定休) https://fundou.jimdofree.com/

ふんどぅオンラインショップ  https://fundou.base.shop/

沖縄の民具・民芸の専門店『りゅう』 沖縄県中頭郡読谷村古堅191

ふくら舎(桜坂劇場) 沖縄県那覇市牧志3丁目6−10

コザ工芸館ふんどぅは北谷竹細工製品を一番多く取り揃える取扱店です。


生年祝の引き出物、退職、転勤、進学、卒業、新築記念や贈答品など、どうぞお気軽にご相談ください。

お問い合わせは「ふんどぅ」まで